おい、Huluであの超絶面白い深夜ドラマ「時効警察」が配信されたぞ
アメリカ発の動画配信サービス「Hulu」をふと見ていると、オダギリジョー、麻生久美子が並ぶサムネイルを見つけた。そう、それこそが「時効警察」であった。
時効警察は2006年の金曜深夜に放送されるとジワジワと口コミで人気を集め、放送終了後も再放送でその都度人気を獲得していった名作ドラマである。オダギリジョーの神髄を見ることができるコメディミステリーで、だるんだるんとした脱力さは、夜中にビールでも飲みながらゆったりと見るのがオススメだ。ヒロインの麻生久美子は本作品以前まで、「神秘的なオーラに包まれた美女」というイメージだったが、時効警察で挑んだコミカルな演技で女優としての幅を大きく広げた。麻生の転換期となる作品でもある。
シチュエーションや会話の至る所に小ネタを入れ込んでいく三木聡の世界(通称三木ワールド。その他監督たちもそれぞれのオリジナリティを残しつつ、この世界を踏襲している)も満載で、万人ウケする面白さというよりも、どちらかといえば見る人を選ぶ(正確には見る人の年齢を選ぶのかもしれない)作品。
ケラリーノ・サンドロヴィッチや岩松了、園子温など、錚々たる監督陣それぞれの作り出す世界を堪能できるのも醍醐味のひとつだ(続編の「帰ってきた時効警察」8話では、オダギリジョーが監督を務めている)。加えて、犯人として登場する豪華ゲスト俳優陣にも要注目。シーズン1、2通して、メインゲストは池脇千鶴、永作博美、杉本彩など女優が中心だが、サブゲストとして味のある俳優陣が脇を固める(笹野高史や温水洋一、佐藤蛾次郎や松尾スズキなど。園子温監督の6話では、デビュー当時の吉高由里子も登場)。
さらにこのドラマにはもうひとつ、大きな見所がある。それはオダギリジョー扮する主人公の霧山修一朗が身に纏う「モッズ」ファッションである。モッズとは1960年代前後にイギリスの労働者階級の若者から生まれたカウンターカルチャーで、現在でも「モッズコート」としてその名が残っているほど。当時のファッションシーンでは大きな影響力を持っていた(その後、割とすぐ廃れた)。このファッションの観点からも、ぜひ時効警察というドラマを楽しんで欲しい。